小柄な体をもつ“チワワ”。ジャパンケネルクラブの犬種登録数でも、必ず上位になる人気不動の犬種です(※)。
そんなチワワですが、最も特徴的なところは“大きい目”ではないでしょうか? 大きくうるうるしている目を見ると、吸いこまれてしまいそうになります。
特徴的なチワワの目、他の犬と比べると頭が小さく目を支える目のくぼみが浅いため、大きく飛び出しています。そのために目に関する病気やトラブルが目立ちます。
そこで今回は、獣医師の牧口香絵先生に、つぶらな瞳を守るために実践したい習慣をお聞きします! 生涯その美しい目を保つためにも、チワワの目について様々な角度から知識を深めておきましょう。
■生活の中で気をつけたいこと

(1)目のまわりを清潔に保ち観察する
目のトラブルを未然に防ぐには目のまわりを清潔に保つことです。朝起きて目やにがついていたら、温かい湿った柔らかいコットンで、優しく目やにを取り除いてあげましょう。
毎日のお手入れの中から愛犬の目やにの量、色などをよく観察します。もしいつもより目やにが多い、色がいつもと違う、目をしばしばさせている、目をしきりにこする、白目がいつもより赤いなどの症状が見られたら、主治医に診てもらいましょう。どんな病気にも言えることですが、早めの治療が大切です。
(2)家の中に危ないものがないか再度確認をする
犬は運動が大好きな動物ですが、子犬はなおさら活発に動き回ります。家の中を見渡して危険な場所はありませんか? 突出しているものがある、ワイヤーが飛び出ている、植木の枝がある、床がすべるとなど。
走り回って転んだときに目をケガさせないよう、今一度家庭環境を見直してみましょう。
(3)多種との同居
多種との同居、特に目の大きいチワワは、猫との同居に注意が必要です。猫は遊びのつもりでも、チワワの顔を引っ掻いてしまうと、目の表面を傷つけてしまうこともあります。
猫と同居させるには、同じ月齢の猫をほぼ同時に迎える、猫の爪を常に手入れをしておくことがおすすめです。
■気をつけたい「目の病気」

(1)角膜炎
眼球を覆っている角膜に外的刺激(異物が入る、目を強くこすり傷ができるなど)を受けて、炎症を起こしてしまう病気です。目に痛みや違和感があるので、涙や目やにがいつも以上に出たり、目を細めたりします。
角膜に生じた傷が深い場合は角膜が白濁したり、潰瘍になったりして治療に時間がかかります。炎症を抑える、または角膜を保護する目薬を使い治療します。
(2)結膜炎
眼球の表面を覆う透明な粘膜、結膜に炎症が起こる病気です。目に毛やごみ、シャンプーなどの薬品が入った際に、目が赤くなったり涙が多量に出たり、目をこすりつけたりします。
角膜炎と同様に、炎症を抑える目薬を使って治していきます。
(3)流涙症
目が大きいチワワがなりやすい病気です。流涙症は“涙やけ”とも呼ばれ、目の周りが茶色になり濡れてしまいます。逆さまつ毛や目の周りの毛、ほこりなどが原因で、常に目に外的刺激が加わり生じる場合もあります。
また、食べ物の添加物によるアレルギー症状として見られることもあります。外的刺激により流涙症になっている場合は、刺激を取り除きます。涙やけの箇所をそのままにすると、濡れたところにゴミやほこりも付きやすくなるため、こまめに拭いてあげましょう。
毎日の犬の健康のバロメーターとして、食欲、遊びや運動の要求、排泄や睡眠パターンをチェックすることも大切ですが、それと同時に、ぜひ愛犬の顔まわりもチェックしてください。
著者は日課として、毎日目のまわりを拭いています。慣れてくれば、目の輝きひとつで体調の善し悪しもわかってきますよ。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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【参考】
※ 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ(JKC) - 2017年(1月~12月)
【画像】
※ Gorlov Alexander, padu_foto, Aneta Jungerova / Shutterstock
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